決疑論

決疑論(けつぎろん、英語: casuistry) は、一般的な宗教ないし道徳上の規範を特殊・個別の事例に適用するに際し、類推によって一定の結論を得るための実践的な判定法である。

もともとはローマ・カトリック教会教父告解の際の指針を与えるためのもので、中世のスコラ学で重視されたが、近代に至って16世紀から17世紀にかけて個人の道徳的な判断に指針を与えるものとして発達した。イギリスの新聞では、人生相談欄において、自分の娘と知らずに結婚してしまった男性の場合、父親としての道徳的義務と夫としての道徳的義務が相反するが、今度どのように行動すればよいかとの質問に対し、回答者が道徳的な見地から複数の選択肢を挙げて指針を示すというような形でなされていたこともある。

小説の誕生を促したとも言われる。

参考文献

河崎良二『デフォーと十六、十七世紀イギリスの決疑論』人間文化学部研究年報8巻56頁

関連項目

外部リンク

  • Dictionary of the History of Ideas: Casuistry
  • Casuistry - Catholic Encyclopedia
  • Mortimer Adler's Great Ideas - Casuistry
  • 1911 Encyclopedia
  • Summary of casuistry by Jeramy Townsley
  • Casuistry - Online Guide to Ethics and Moral Philosophy
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • FAST
国立図書館
  • スペイン
  • フランス
  • BnF data
  • ドイツ
  • イスラエル
  • アメリカ
  • 表示
  • 編集