メイショウドトウ

メイショウドトウ
2002年1月13日 京都競馬場
欧字表記 Meisho Doto[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1996年3月25日(28歳)[1]
Bigstone[1]
プリンセスリーマ[1]
母の父 Affirmed[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド[1]
生産者 P. ハーディー[1]
馬主 松本好雄[1]
調教師 安田伊佐夫栗東[1]
調教助手 渋田康弘
中林健
厩務員 千田智久
競走成績
生涯成績 27戦10勝[1]
獲得賞金 9億2133万4000円[1]
IC L120 / 2000年[2]
L120 / 2001年[3]
勝ち鞍
GI 宝塚記念 2001年
GII 金鯱賞 2000年
GII オールカマー 2000年
GII 日経賞 2001年
GIII 中京記念 2000年
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メイショウドトウ(欧字名:Meisho Doto1996年3月25日 - )は、日本競走馬種牡馬[1]

古馬となった2000年より能力が本格化し重賞戦線で活躍したものの、同期のテイエムオペラオーに1歩及ばずGIタイトルを取り逃していたシルバーコレクターとして知られていた[4]。その後、2001年宝塚記念(GI)でテイエムオペラオーを破り遂にGI制覇を果たし、史上最高の名将と呼ばれた。[5]その他の勝ち鞍に、2000年金鯱賞(GII)、オールカマー(GII)、中京記念(GIII)、2001年の日経賞(GII)。

競走馬時代

  • 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[6]

1999年1月6日、京都競馬場の新馬戦でデビューし2着、2戦目で勝ちあがる[7]。4月中京競馬場の500万下条件戦かいどう賞で2勝目を挙げ、秋に入って嵯峨野特別、ドンカスターステークスと連勝しオープンクラスに昇級。オープン初戦の六甲ステークスは11頭立ての最下位に終わったが、年明けの日経新春杯で8番人気ながらマーベラスタイマーの2着に入り、続く中京記念ブリリアントロード以下をおさえて重賞初制覇とした[8]日経賞3着、メトロポリタンステークス1着を経て金鯱賞で重賞2勝目を挙げ、宝塚記念でもテイエムオペラオーの2着とした。秋は初戦のオールカマーを制して重賞3勝目としたが、天皇賞(秋)ジャパンカップ、そして有馬記念の3戦[9]すべてでテイエムオペラオーの2着に甘んじた[8]2001年を迎えて初戦の日経賞を制したが、天皇賞(春)ではテイエムオペラオーに五度目の先着を許して2着に終わったものの、続く宝塚記念では3コーナーから早めに押し切ってテイエムオペラオーの追撃を振り切り、6度目の対戦でついにテイエムオペラオーを下してG1競走初制覇を成し遂げた[8]。秋は天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念の3戦とも未勝利に終わり、有馬記念4着が最後のレースとなった。

2002年を迎えて間もなく、テイエムオペラオーと2頭そろっての合同引退式が挙行された[7][10]

競走成績

以下の内容は、JBISサーチ[6]およびnetkeiba.com[11]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 距離(馬場) オッズ
(人気)
着順 斤量
[kg]
騎手 タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
1999. 1. 6 京都 4歳新馬 9 7 7 ダ1800m(良) 2.3(1人) 2着 55 安田康彦 1.56.6 (36.5) 0.2 タイソーサ
1. 16 京都 4歳新馬 9 3 3 ダ1800m(良) 1.3(1人) 1着 55 安田康彦 1.55.7 (37.8) -0.3 (ミラクルギフト)
3. 20 阪神 4歳500万下 9 3 3 ダ1800m(不) 2.8(1人) 4着 55 安田康彦 1.52.7 (37.2) 1.0 タイロバリー
4. 18 中京 かいどう賞 500 16 4 7 ダ1700m(稍) 2.9(1人) 1着 55 安田康彦 1.46.9 (38.1) -0.1 (ダイナミックウイン)
5. 23 中京 香港JCT OP 16 1 1 ダ1700m(良) 9.3(6人) 8着 55 安田康彦 1.46.9 (38.4) 1.0 マイシーズン
9. 5 札幌 ポプラS 900 11 5 5 芝1500m(良) 37.1(8人) 8着 55 安田康彦 1.30.7 (36.3) 0.9 プリンセスカーラ
9. 18 札幌 大倉山特別 900 10 1 1 芝1800m(良) 6.0(3人) 4着 55 安田康彦 1.51.4 (36.6) 1.0 チアズビューティ
9. 25 札幌 道新スポーツ賞 900 14 4 6 芝2000m(重) 16.5(8人) 2着 55 安田康彦 2.05.7 (38.2) 0.8 エリモピュア
10. 16 京都 嵯峨野特別 900 13 5 6 芝2000m(良) 16.5(4人) 1着 53 安田康彦 2.02.2 (34.7) -0.4 (バイオレットパール)
11. 14 京都 ドンカスターS 1600 11 6 6 芝1800m(良) 12.3(4人) 1着 55 安田康彦 1.46.9 (34.6) -0.1 (ロードサクセサー)
12. 26 阪神 六甲S OP 11 4 4 芝2000m(良) 2.2(1人) 11着 54 安田康彦 2.04.3 (37.2) 2.0 トゥナンテ
2000. 1. 16 京都 日経新春杯 GII 14 3 4 芝2400m(良) 19.2(8人) 2着 53 武幸四郎 2.24.4 (36.0) 0.1 マーベラスタイマー
3. 5 中京 中京記念 GIII 14 8 13 芝2000m(良) 7.7(3人) 1着 54 安田康彦 R1.59.1 (35.9) -0.5 ブリリアントロード
3. 26 中山 日経賞 GII 10 4 4 芝2500m(良) 9.3(4人) 3着 56 安田康彦 2.35.8 (35.8) 0.4 レオリュウホウ
4. 29 東京 メトロポリタンS OP 9 7 7 芝2300m(良) 1.5(1人) 1着 57 安田康彦 2.18.5 (35.5) -0.2 (クラフトマンシップ)
5. 27 中京 金鯱賞 GII 11 4 4 芝2000m(稍) 8.2(3人) 1着 57 安田康彦 1.58.5 (34.2) -0.2 ジョービッグバン
6. 25 阪神 宝塚記念 GI 11 4 4 芝2200m(良) 23.0(6人) 2着 58 河内洋 2.13.8 (35.9) 0.0 テイエムオペラオー
9. 24 中山 オールカマー GII 9 2 2 芝2200m(重) 1.9(1人) 1着 58 的場均 2.15.8 (35.6) -0.3 (サクラナミキオー)
10. 29 東京 天皇賞(秋) GI 16 8 15 芝2000m(重) 4.4(2人) 2着 58 的場均 2.00.3 (35.9) 0.4 テイエムオペラオー
11. 26 東京 ジャパンC GI 16 7 13 芝2400m(良) 16.1(5人) 2着 57 安田康彦 2.26.1 (35.4) 0.0 テイエムオペラオー
12. 24 中山 有馬記念 GI 16 7 13 芝2500m(良) 6.8(2人) 2着 57 安田康彦 2.34.1 (36.5) 0.0 テイエムオペラオー
2001. 3. 24 中山 日経賞 GII 10 1 1 芝2500m(良) 1.1(1人) 1着 58 安田康彦 2.33.7 (34.6) -0.1 マチカネキンノホシ
4. 29 京都 天皇賞(春) GI 12 5 5 芝3200m(良) 6.5(3人) 2着 58 安田康彦 3.16.3 (35.3) 0.1 テイエムオペラオー
6. 24 阪神 宝塚記念 GI 12 3 3 芝2200m(良) 3.4(2人) 1着 58 安田康彦 2.11.7 (35.1) -0.2 (テイエムオペラオー)
10. 28 東京 天皇賞(秋) GI 13 2 2 芝2000m(重) 3.4(2人) 3着 58 安田康彦 2.02.6 (36.5) 0.6 アグネスデジタル
11. 25 東京 ジャパンC GI 15 1 1 芝2400m(良) 4.9(3人) 5着 57 安田康彦 2.24.6 (35.8) 0.8 ジャングルポケット
12. 23 中山 有馬記念 GI 13 8 13 芝2500m(良) 5.5(2人) 4着 57 安田康彦 2.33.3 (34.6) 0.2 マンハッタンカフェ

引退後

引退後はテイエムオペラオーとともにイーストスタッド種牡馬となり[7][10]、10年間の供用で血統登録頭数270頭、出走頭数はそのうちの241頭を数えた[12]。その後、加齢していき種付頭数が減少する中でオーナーの松本好雄はあくまで一生涯面倒を見る予定であったが、認定NPO法人引退馬協会から協会の「顔」として松本に譲渡を要請し、松本がこれを受託したことから2017年から引退馬協会のフォスターホースとして余生を過ごすこととなった[10][13]2018年引退名馬繋養展示事業の助成対象馬となり、11月29日にイーストスタッドからヴェルサイユファームへ移動[13]。以降は広報部長的ポジションのナイスネイチャや相前後してフォスターホースとなったタイキシャトルとともに、引退馬協会の啓蒙活動の役割を担っている[10]

2021年6月16日、タイキシャトルとともに北海道新冠町のノーザンレイクへ移動となった[14]

主な産駒

エピソード

  • 引退後の時間を共に過ごしたタイキシャトルやローズキングダムとは仲が良く、たびたび鼻先をこすりつけ合う様子を目撃されている[19]
  • ノーザンレイクでは、牧場の看板猫として飼われている元野良猫のメトと触れ合う様子が話題を呼んでおり、メイショウドトウの背中にメトが初めて乗った際の動画はYoutubeで再生回数が100万回を超えるなど、大きな反響を呼んだ[20][21]。2023年12月には2匹の触れ合いを記録した写真集『ボス猫メトとメイショウドトウ 引退馬牧場ノーザンレイクの奇跡』(辰巳出版ISBN 978-4777830749)が発売された[22]

血統表

メイショウドトウ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ノーザンダンサー系
[§ 2]

Bigstone
1990 鹿毛
父の父
*ラストタイクーン
Last Tycoon
1983 鹿毛
*トライマイベスト
Try My Best
Northern Dancer
Sex Appeal
Mill Princess Mill Reef
Irish Lass
父の母
Batave
1982 栗毛
*ポッセ
Posse
Forli
In Hot Pursuit
Bon Appetit Major Portion
Sweet Solera

*プリンセスリーマ
Princess Reema
1984 栗毛
Affirmed
1975 栗毛
Exclusive Native Raise a Native
Exclusive
Won't Tell You Crafty Admiral
Scarlet Ribbon
母の母
First Fling
1977 黒鹿毛
Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
Fast Approach First Landing
Pinny Gray
母系(F-No.) プリンセスリーマ(USA)系(FN:4-p) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 4×4=12.50% [§ 4]
出典
  1. ^ [23]
  2. ^ [24]
  3. ^ [23][24]
  4. ^ [23][24]


脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “メイショウドトウ(IRE)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  2. ^ 優駿』、日本中央競馬会、2001年2月、34頁。 
  3. ^ 優駿』、日本中央競馬会、2002年2月、70頁。 
  4. ^ 【競馬】「シルバーコレクター」であなたが一番好きな競走馬は?【人気投票実施中】 - ねとらぼ調査隊、2022年9月25日閲覧。
  5. ^ aucfan. “Gallop 臨時増刊 週刊100名馬 98 メイショウドトウ「中古」の落札価格|競馬|Yahoo!オークション(旧ヤフオク!) 落札相場- オークファン(aucfan.com)”. 買うときも売るときも オークファン -Yahoo!オークション(旧ヤフオク!)などオークションの情報が満載 | 新品から中古まであらゆる商品の最安値を徹底比較!. 2024年4月25日閲覧。
  6. ^ a b “メイショウドトウ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  7. ^ a b c “メイショウドトウを訪ねて~イーストスタッド”. 競走馬のふるさと案内所 馬産地コラム. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  8. ^ a b c “積極策が生んだ6度目の逆転劇
    2001年 メイショウドトウ”. 宝塚記念 歴代優勝馬ピックアップ. JRA-VAN. 2021年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月25日閲覧。
  9. ^ 通称秋古馬三冠
  10. ^ a b c d “メイショウドトウ”. フォスターホース紹介 メイショウドトウ. 認定NPO法人引退馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  11. ^ “メイショウドトウの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年4月25日閲覧。
  12. ^ “メイショウドトウ(IRE) 種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  13. ^ a b c d “メイショウドトウがヴェルサイユファームへ移動”. 競走馬のふるさと案内所 馬産地ニュース. 公益社団法人日本軽種馬協会 (2018年12月3日). 2020年4月25日閲覧。
  14. ^ “功労馬のタイキシャトルとメイショウドトウ、北海道新冠町のノーザンレイクへ移動”. netkeiba.com (2021年6月16日). 2021年6月16日閲覧。
  15. ^ “ライジングウェーブ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  16. ^ “フーガ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  17. ^ “シャイン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  18. ^ “シゲルケンシン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  19. ^ @Versailles_Farm (2019年5月29日). "シャトル🐎&ドトウ🐎&ローズ🐎 ドトウは誰とでも仲良しです". X(旧Twitter)より2024年5月12日閲覧
  20. ^ “27歳メイショウドトウの癒しは養老牧場ノーザンレイクで猫の「メト」との出会い”. ウマトク (2023年8月16日). 2024年2月4日閲覧。
  21. ^ “2023年4月12日|ドトウ&シャトルだより”. 認定NPO法人 引退場協会 (2023年4月12日). 2024年2月4日閲覧。
  22. ^ “元G1馬メイショウドトウと猫の友情がフォトブックに「引退馬牧場ノーザンレイクの奇跡」”. よろず~ニュース (2023年12月5日). 2024年2月4日閲覧。
  23. ^ a b c “メイショウドトウ(IRE) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月25日閲覧。
  24. ^ a b c “メイショウドトウの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年4月25日閲覧。

外部リンク

日本の旗 宝塚記念勝ち馬
   

国際競走指定前:
01回(1960年) ホマレーヒロ
02回(1961年) シーザー
03回(1962年) コダマ
04回(1963年) リユウフオーレル
05回(1964年) ヒカルポーラ
06回(1965年) シンザン
07回(1966年) エイトクラウン
08回(1967年) タイヨウ
09回(1968年) ヒカルタカイ
第10回(1969年) ダテホーライ
第11回(1970年) スピードシンボリ
第12回(1971年) メジロムサシ
第13回(1972年) ショウフウミドリ
第14回(1973年) ハマノパレード
第15回(1974年) ハイセイコー
第16回(1975年) ナオキ
第17回(1976年) フジノパーシア
第18回(1977年) トウショウボーイ
第19回(1978年) エリモジョージ
第20回(1979年) サクラショウリ
第21回(1980年) テルテンリュウ
第22回(1981年) カツアール
第23回(1982年) モンテプリンス

第24回(1983年) ハギノカムイオー
第25回(1984年) カツラギエース
第26回(1985年) スズカコバン
第27回(1986年) パーシャンボーイ
第28回(1987年) スズパレード
第29回(1988年) タマモクロス
第30回(1989年) イナリワン
第31回(1990年) オサイチジョージ
第32回(1991年) メジロライアン
第33回(1992年) メジロパーマー
第34回(1993年) メジロマックイーン
第35回(1994年) ビワハヤヒデ
第36回(1995年) ダンツシアトル
第37回(1996年) マヤノトップガン

国際競走指定後:
第38回(1997年) 日本の旗 マーベラスサンデー
第39回(1998年) 日本の旗 サイレンススズカ
第40回(1999年) 日本の旗 グラスワンダー
第41回(2000年) 日本の旗 テイエムオペラオー

国際G1昇格後:
第42回(2001年) 日本の旗 メイショウドトウ
第43回(2002年) 日本の旗 ダンツフレーム

第44回(2003年) 日本の旗 ヒシミラクル
第45回(2004年) 日本の旗 タップダンスシチー
第46回(2005年) 日本の旗 スイープトウショウ
第47回(2006年) 日本の旗 ディープインパクト
第48回(2007年) 日本の旗 アドマイヤムーン
第49回(2008年) 日本の旗 エイシンデピュティ
第50回(2009年) 日本の旗 ドリームジャーニー
第51回(2010年) 日本の旗 ナカヤマフェスタ
第52回(2011年) 日本の旗 アーネストリー
第53回(2012年) 日本の旗 オルフェーヴル
第54回(2013年) 日本の旗 ゴールドシップ
第55回(2014年) 日本の旗 ゴールドシップ
第56回(2015年) 日本の旗 ラブリーデイ
第57回(2016年) 日本の旗 マリアライト
第58回(2017年) 日本の旗 サトノクラウン
第59回(2018年) 日本の旗 ミッキーロケット
第60回(2019年) 日本の旗 リスグラシュー
第61回(2020年) 日本の旗 クロノジェネシス
第62回(2021年) 日本の旗 クロノジェネシス
第63回(2022年) 日本の旗 タイトルホルダー
第64回(2023年) 日本の旗 イクイノックス