ホール・オブ・フェイム・ゲーム

ホール・オブ・フェイム・ゲーム(Pro Football Hall of Fame Game)は、NFLが毎年プロフットボール殿堂入りが決まった選手のセレモニーに合わせて開催しているエキシビションゲーム。プロフットボール殿堂があるオハイオ州カントンにあるトム・ベンソン・ホール・オブ・フェイム・スタジアムで開催されている。

ルール・歴史

出場する2チームはNFLによって決められる。1971年から毎年AFCのチームとNFCのチームの対戦となっていたが、2009年はAFL創設から50周年を迎えたため当初からAFLに参加した8チームのうち、テネシー・タイタンズ(当時ヒューストン・オイラーズ、AFL初代チャンピオン)、バッファロー・ビルズ(オーナーのラルフ・ウィルソンがこの年殿堂入りを果たした。)が対戦した[1]。ラルフ・ウィルソンとタイタンズのオーナー、バド・アダムスは1960年にAFLが創設された当時から2009年までオーナーを務めている生き残りであったためこの両チームの対戦カードとなった。

2011年はシカゴ・ベアーズセントルイス・ラムズの対戦が予定されていたが、その年春から行われたNFLのロックアウトの影響で1966年以来の中止となった[2]

ホール・オブ・フェイム・ゲームは他のプレシーズンマッチより先に行われる。したがって、このゲームに出場するチームは、他のチームが4試合ずつしか行わないプレシーズンマッチを5試合行うこととなる[3]

1995年以降、エクスパンションチームはホール・オブ・フェイム・ゲームに登場しており、1995年にはジャクソンビル・ジャガーズカロライナ・パンサーズが対戦、2002年にはヒューストン・テキサンズが登場した。ボルチモア・レイブンズはチーム創設時に出場しなかったが、これはクリーブランド・ブラウンズが移転しロースターにも大部分の選手が残ったと判断されたためである(新加盟チームがあった場合に行われるエクスパンション・ドラフトも行われなかった。ただしレイブンズは公式にはNFLとクリーブランドの間で行われた合意に基づき新規に誕生したチームであり、クリーブランド・ブラウンズの歴史などは1999年に誕生した新生ブラウンズに引き継がれている)。なお、レイブンズは2018年に初めてホール・オブ・フェイム・ゲームに出場している。

テレビ・ラジオ中継

1997年以前は土曜日の午後に開催されたが、1998年に土曜日の夜に時間が変更され、1999年から2005年までは月曜日に開催され、ABCマンデーナイトフットボールのパッケージとして放送された。2006年からは、日曜日の夜に変更されNBCサンデーナイトフットボールのパッケージとして放送されるようになった。

ラジオではウェストウッド・ワンが放送しており、プレシーズンマッチとしては唯一全米に放送されている試合である。

2008年にはSky Sportsによって、イギリスアイルランドでも放送された。しかし2009年には、NFLとSky Sportsが合意に至らず、テレビ放送はされなかった。ヨーロッパの残りの国にはESPNアメリカが放送を行った。

試合結果

Date Score
1962年8月11日 ニューヨーク・ジャイアンツ 21, セントルイス・カージナルス 21
1963年9月8日 ピッツバーグ・スティーラーズ 16, クリーブランド・ブラウンズ 7
1964年9月6日 ボルチモア・コルツ 48, ピッツバーグ・スティーラーズ 17
1965年9月12日 ワシントン・レッドスキンズ 20, デトロイト・ライオンズ 3
1966年 未開催
1967年8月5日 フィラデルフィア・イーグルス 28, クリーブランド・ブラウンズ 13
1968年8月3日 シカゴ・ベアーズ 30, ダラス・カウボーイズ 24
1969年9月13日 グリーンベイ・パッカーズ 38, アトランタ・ファルコンズ 24
1970年8月8日 ニューオーリンズ・セインツ 14, ミネソタ・バイキングス 13
1971年7月31日 ロサンゼルス・ラムズ 17, ヒューストン・オイラーズ 6
1972年7月29日 カンザスシティ・チーフス 23, ニューヨーク・ジャイアンツ 17
1973年7月28日 サンフランシスコ・フォーティナイナーズ 20, ニューイングランド・ペイトリオッツ 7
1974年7月27日 セントルイス・カージナルス 21, バッファロー・ビルズ 13
1975年8月2日 ワシントン・レッドスキンズ 17, シンシナティ・ベンガルズ 9
1976年7月24日 デンバー・ブロンコス 10, デトロイト・ライオンズ 7
1977年7月30日 シカゴ・ベアーズ 20, ニューヨーク・ジェッツ 6
1978年7月29日 フィラデルフィア・イーグルス 17, マイアミ・ドルフィンズ 3
1979年7月28日 オークランド・レイダース 20, ダラス・カウボーイズ 13
1980年8月2日 グリーンベイ・パッカーズ 0, サンディエゴ・チャージャーズ 0 [4]
1981年8月1日 クリーブランド・ブラウンズ 24, アトランタ・ファルコンズ 10
1982年8月7日 ミネソタ・バイキングス 30, ボルチモア・コルツ 14
1983年7月30日 ピッツバーグ・スティーラーズ 27, ニューオーリンズ・セインツ 14
1984年7月28日 シアトル・シーホークス 38, タンパベイ・バッカニアーズ 0
1985年8月3日 ニューヨーク・ジャイアンツ 21, ヒューストン・オイラーズ 20
1986年8月2日 ニューイングランド・ペイトリオッツ 21, セントルイス・カージナルス 16
1987年8月8日 サンフランシスコ・フォーティナイナーズ 20, カンザスシティ・チーフス 7
1988年7月30日 シンシナティ・ベンガルズ 14, ロサンゼルス・ラムズ 7
1989年8月5日 ワシントン・レッドスキンズ 31, バッファロー・ビルズ 6
1990年8月4日 シカゴ・ベアーズ 13, クリーブランド・ブラウンズ 0
1991年7月27日 デトロイト・ライオンズ 14, デンバー・ブロンコス 3
1992年8月1日 ニューヨーク・ジェッツ 41, フィラデルフィア・イーグルス 14
1993年7月31日 ロサンゼルス・レイダース 19, グリーンベイ・パッカーズ 3
1994年7月30日 アトランタ・ファルコンズ 21, サンディエゴ・チャージャーズ 7
1995年7月29日 カロライナ・パンサーズ 20, ジャクソンビル・ジャガーズ 14
1996年7月27日 インディアナポリス・コルツ 10, ニューオーリンズ・セインツ 3
1997年7月26日 ミネソタ・バイキングス 28, シアトル・シーホークス 26
1998年8月1日 タンパベイ・バッカニアーズ 30, ピッツバーグ・スティーラーズ 6
1999年8月9日 クリーブランド・ブラウンズ 20, ダラス・カウボーイズ 17, OT
2000年7月31日 ニューイングランド・ペイトリオッツ 20, サンフランシスコ・フォーティナイナーズ 0
2001年8月6日 セントルイス・ラムズ 17, マイアミ・ドルフィンズ 10
2002年8月5日 ニューヨーク・ジャイアンツ 34, ヒューストン・テキサンズ 17
2003年8月4日 カンザスシティ・チーフス 9, グリーンベイ・パッカーズ 0 [5]
2004年8月9日 ワシントン・レッドスキンズ 20, デンバー・ブロンコス 17
2005年8月8日 シカゴ・ベアーズ 27, マイアミ・ドルフィンズ 24
2006年8月6日 オークランド・レイダース 16, フィラデルフィア・イーグルス 10
2007年8月5日 ピッツバーグ・スティーラーズ 20, ニューオーリンズ・セインツ 7
2008年8月3日 ワシントン・レッドスキンズ 30, インディアナポリス・コルツ 16
2009年8月9日 テネシー・タイタンズ 21, バッファロー・ビルズ 18
2010年8月8日 ダラス・カウボーイズ 16, シンシナティ・ベンガルズ 7
2011年 ロックアウトが実施されていたため未開催(当初はシカゴ・ベアーズセントルイス・ラムズの試合が予定されていた。)
2012年8月5日 ニューオーリンズ・セインツ 17, アリゾナ・カージナルス 10
2013年8月4日 ダラス・カウボーイズ 24, マイアミ・ドルフィンズ 20[6]
2014年8月3日 ニューヨーク・ジャイアンツ 17, バッファロー・ビルズ 13
2015年8月9日 ミネソタ・バイキングス 14, ピッツバーグ・スティーラーズ 3
2016年8月7日 中止グリーンベイ・パッカーズインディアナポリス・コルツが予定されていたが、グラウンドコンディション不良のため)[7]
2017年8月3日 ダラス・カウボーイズ 20, アリゾナ・カージナルス 18
2018年8月2日 ボルチモア・レイブンズ 17, シカゴ・ベアーズ 16
2019年8月1日 デンバー・ブロンコス 14, アトランタ・ファルコンズ 10
  • 最多出場6回(ピッツバーグ・スティーラーズ、ダラス・カウボーイズ)
  • 最多勝5勝(ワシントン・レッドスキンズ)
  • 近年出場していないチーム デトロイト・ライオンズ(最後の出場は1991年)、ニューヨーク・ジェッツ(最後の出場は1992年)

参考文献

  • 2006 NFL Record and Fact Book. p. 401. ISBN 1-933405-32-5 
  • “Hall of Fame Game Series”. プロフットボール殿堂. 2010年2月10日閲覧。
  • “Hall of Fame Game Series”. プロフットボール殿堂. 2010年2月10日閲覧。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ “ホール・オブ・フェイム・ゲーム、今年はAFL50周年仕様”. NFL JAPAN (2009年8月7日). 2011年8月8日閲覧。
  2. ^ “HOFゲーム中止、開催地では失望の声挙がる”. NFL JAPAN (2011年7月23日). 2011年8月8日閲覧。
  3. ^ 生沢浩 (2009年8月13日). “不作か、それとも新星誕生か? 今季のレシーバー事情”. NFL JAPAN. 2010年2月10日閲覧。
  4. ^ 落雷のため第4Q残り5分29秒で試合終了
  5. ^ 落雷のため第3Q残り5分49秒で試合終了
  6. ^ “ホール・オブ・フェイム・ゲーム、カウボーイズが勝利”. NFL JAPAN (2013年8月5日). 2013年8月8日閲覧。
  7. ^ “HOFゲーム中止、「二度と起こらないようにする」とコルツ・オーナー”. NFL JAPAN (2016年8月8日). 2016年8月10日閲覧。

外部リンク

  • Pro Football Hall of Fame American Football League Legacy Game (英語)
National Football League
アメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)
西地区 北地区 南地区 東地区
デンバー・ブロンコス ボルチモア・レイブンズ ヒューストン・テキサンズ バッファロー・ビルズ
カンザスシティ・チーフス シンシナティ・ベンガルズ インディアナポリス・コルツ マイアミ・ドルフィンズ
ラスベガス・レイダース クリーブランド・ブラウンズ ジャクソンビル・ジャガーズ ニューイングランド・ペイトリオッツ
ロサンゼルス・チャージャーズ ピッツバーグ・スティーラーズ テネシー・タイタンズ ニューヨーク・ジェッツ
ナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)
西地区 北地区 南地区 東地区
アリゾナ・カージナルス シカゴ・ベアーズ アトランタ・ファルコンズ ダラス・カウボーイズ
ロサンゼルス・ラムズ デトロイト・ライオンズ カロライナ・パンサーズ ニューヨーク・ジャイアンツ
サンフランシスコ・49ers グリーンベイ・パッカーズ ニューオーリンズ・セインツ フィラデルフィア・イーグルス
シアトル・シーホークス ミネソタ・バイキングス タンパベイ・バッカニアーズ ワシントン・コマンダース
 
各年のNFL

AFL合併前

AFL合併後

 
各年のAFL
年表示は年度を示す · ローマ数字は各回のスーパーボウル(第50回だけはアラビア数字)、斜字は未開催を示す
 
関連事項
イベント
記録
歴史
メディア
その他