グァンタナモ米軍基地

グァンタナモ湾の衛星写真
グァンタナモ湾の地図、枠内が基地区域。赤印はリーワード・ポイント飛行場(左)とマッカーラ飛行場(中央)
収容施設の一つ「キャンプ・デルタ・ワン」入口、2005年
グァンタナモの収監者には、少年兵も含まれており、アメリカ国内では、少年は釈放するよう要求するデモが発生している。(写真はカナダトロント、2008年)
グアンタナモ基地内にあるマクドナルド(写真は1994年頃)

グァンタナモ米軍基地(グァンタナモべいぐんきち、英語: Guantanamo Bay Naval Base)とは、キューバ東南部のグァンタナモ湾に位置するアメリカ海軍基地である。管理者はアメリカ南方軍。面積は116平方キロメートル1903年以来、アメリカ合衆国キューバより租借している。

2002年から、基地内にアフガニスタンイラクでの対テロ戦争で拘束した人物を収容するグアンタナモ湾収容キャンプが設けられている。

概要

1898年米西戦争アメリカ軍が占領し、アメリカ合衆国の援助でスペインから独立したキューバ新政府は1903年2月23日、グァンタナモ基地の永久租借を認めた。国家主権はキューバにあり、アメリカ合衆国は「租借料」として毎年金貨2,000枚(約4,000米ドル)を支払ってきた。

キューバ革命によって成立したフィデル・カストロ政権は、アメリカ合衆国の基地租借を非合法と非難しており、租借料は一度受け取った以外は受け取りを拒否している。アメリカ合衆国・キューバの双方が基地周辺を地雷原としていた(アメリカ合衆国側は1996年に撤去)。周囲が地雷だらけで脱走が不可能な上、マスメディアにも実態が見えない海外基地、さらにはキューバ国内でもアメリカ合衆国内でもない、国内法でも国際法でもない軍法のみが適用される治外法権区域ということで、20世紀後半からキューバやハイチ難民を不法入国者として収容した。

またアメリカ同時多発テロ以降は、中東などからのテロリズム容疑者の尋問と収容を、この基地でおこなった。その背景は、アメリカ合衆国憲法下では被疑者の人権を保障しているため、租借条約上、米国が完全な管轄権を持ち、かつ米国の主権下ではない「灰色地帯」を利用することをもくろんだものと考えられている[1]

バラク・オバマ大統領2008年の大統領選挙において、グアンタナモの収容施設を閉鎖すると公約した。しかし、共和党を中心とするアメリカ合衆国議会議員の反対に遭い、頓挫した[2]ジョー・バイデン大統領は任期中の同施設の閉鎖予定を公言している[3]

当基地の敷地内にはキューバで唯一、マクドナルドが存在する。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ “「シリア撤退」で再燃する「米グアンタナモ収容所」人権問題 フォーサイト-新潮社ニュースマガジン:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2020年12月10日閲覧。
  2. ^ Dan De Luce (2013年5月1日). “オバマ大統領、グアンタナモ閉鎖へ新たな努力を約束”. AFPBB News. https://www.afpbb.com/articles/-/2941667?pid=10670254 2013年5月1日閲覧。 
  3. ^ “バイデン大統領、任期中にグアンタナモ収容所閉鎖の意向 報道官”. AFP (2021年2月13日). 2021年5月10日閲覧。

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、グァンタナモ米軍基地に関連するカテゴリがあります。
  • グァンタナモ湾米海軍基地公式サイト(英語)
  • 国立情報学研究所論文・記事検索「グアンタナモ」 (日本語)
  • 『グアンタナモ基地』 - コトバンク


軍事衝突
不朽の自由作戦
その他
テロ攻撃
2001年 - 2004年
2005年 - 2008年
2008年 - 2014年
2015年 - 2016年
2017年 -
作戦の参加者
アフガニスタン侵攻
イラク戦争
ワジリスタン紛争
レバノン侵攻
シリア内戦
作戦の標的
関連項目
カテゴリ カテゴリ
アメリカ合衆国海軍の旗 アメリカ海軍 United States Navy
主要部隊
主要司令部
艦隊
現役
  • 第2
  • 第3
  • 第4
  • 第5
  • 第6
  • 第7
  • 第10
  • 予備役(英語版)
解散
  • 第1
  • 第8(英語版)
  • 第12(英語版)
潜水艦部隊
現役
  • 第1
  • 第4
  • 第6
  • 第7
  • 第11(英語版)
  • 第15(英語版)
  • 第16
  • 第17(英語版)
  • 第19(英語版)
  • 第20(英語版)
解散
  • 第2
  • 第3
  • 第10(英語版)
  • 第14
任務部隊
空母打撃群
  • 第1(英語版)
  • 第2(英語版)
  • 第3(英語版)
  • 第5(英語版)
  • 第8(英語版)
  • 第9(英語版)
  • 第10(英語版)
  • 第11(英語版)
  • 第12
  • 第15(英語版)
空母航空団
現役
  • 第1
  • 第2(英語版)
  • 第3(英語版)
  • 第5
  • 第7(英語版)
  • 第8(英語版)
  • 第9(英語版)
  • 第11(英語版)
  • 第17(英語版)
解散
  • 第6(英語版)
  • 第10(英語版)
  • 第13(英語版)
  • 第14(英語版)
  • 第15(英語版)
特殊部隊
主要艦艇
主要機関
実務
教育
主要施設
東海岸
西海岸
本土
国外
主要役職
歴史・伝統
空港情報 (ICAO:MUGM)
空港概要
  • Great Circle Mapper
  • FlightAware
  • SkyVector
  • Flightradar24
気象情報
  • 定時航空気象 (METAR)
  • 飛行用飛行場予報 (TAF)
  • 定時航空気象 (NOAA/NWS)
その他
  • 航空図 (SkyVector)
  • 航空便追跡 (FlightAware)
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • VIAF
    • 2
国立図書館
  • イスラエル
  • アメリカ
  • チェコ
地理
  • MusicBrainz地域

座標: 北緯19度54分8秒 西経75度5分56秒 / 北緯19.90222度 西経75.09889度 / 19.90222; -75.09889